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VOL.2-2 Brewer Hawaii

82-83 Winter

先輩茂木さんに紹介してもらったことからすべてが動き始めた。

 

受話器を置いて急いで身支度を始め、先輩の滞在先へ向かった。

午前中のうちに連れられてサンセットにあるシェイプルームを訪れると、

「ナガヌマサーフボードで長沼さんに5年くらい習っていたトミナガタダオというんだ」

茂木さんはそう言って紹介してくれた。

本当は互いに二度目だけれど、それはもう10年も前の事だから世界的なシェイパーにしたら憶えている可能性は相当低い。

でも自分にとって72年にシェイプしてもらった事は、シェイパーとして歩むきっかけだった訳で。

だからその事はどうしても尋ないではいられなかった。

 

 「おーおーそうか~!あの時のボーイかぁ。憶えているぞ。

     なんたってシェイプルームへオーダーしに来た初めての日本人だったからな」 

 

憶えていてくれたので思い切って言ってみた。ぜひシェイプを習いたいと。

すると、「じゃぁここにあるフォームで一本シェイプしてみろ」と言われた。テンプレートも出してきてくれて、6.6くらいのスラスター用テンプレートだった。もちろんプレーナーも使えと言ってくれた。

まさかいきなりシェイプになるとは思ってもいなかったので驚いた。いきなりで、とても緊張したけれども、それからおよそ2時間かけて全身全霊でシェイプした。その間、Mr.ブルーワーはシェイプルームを出たり入ったりしていたのを憶えている。

ようやくシェイプが終って完了したことを伝えると、傍に来てフォームを手に取って

じっくり見まわしてチェックし始めた。

先ずはテール側に立って左右のアウトラインをチェックすると、次にレールのフォイル。

そしてボトムロッカー。ボトムのノーズからテールへの水の流れ。その他もくまなく全部チェックしてゆく。

誰も喋らない。静かなシェイプルームにフォームをさする音だけが響き渡る。

やがて仕上がりを見終えたMr.ブルーワーは、こちらを向き黙ったままゆっくり親指を立てた。

そして、「始めてみようか」と言った。

 

シェイプを終えてこのウィンターシーズンは、12月からおよそ2ケ月間滞在した。

ボード3本だけで来ていて。サイズは6.8/7.2/7.10 だったかな…

年が明けて83年。

2月上旬に帰国して鎌倉に戻り、いろいろ準備してから3月に再びオアフへ旅立つ。

この春先3月から4月のおよそ2ケ月間ステイして、みっちりレッスンを受け続けた。

このレッスンをスタートラインに、先生と生徒という長い師弟関係が始まることとなる。

 

この頃の大先生はウィンドサーフィンのシェイプデザインにも力をいれていて、マークも従来の有名なプルメリアのレイではなくて新しいマークも使っていた。

それがBrewer Hawaiiのマークだ。

2か月に及んだ最初のレッスンが終わって日本に帰国する時になると、大先生は様々なデザインのオリジナルテンプレートを持たせてくれた。

サーフボードではショートからガンとロングまで、全部で20枚くらい渡された。そのなかにはウィンドサーフィン用のテンプレートも6枚あった。

大先生は、「このBrewerデザインのテンプレートとタダオの高いシェイプ技術で世界レベルのサーフボードをリリースしてゆくぞ。マークはこのBrewer Hawaiiを使う」

大先生から信任の言葉を授かり、日本での新たなブランドBrewer Hawaiiがスタートすることとなった。

 

稲村に帰ると早速立ち上げの準備に入り、この年の夏前にイナムラのポイント、インサイドの真正面に小さなショップをオープンした。

プロショップ然とした、ボードとウェット、Teeなどを少しおいただけの狭いショップ。

セールを形取った大きなウィンドウが目を引く個性的なショップだった。

自分はシェイプに専念して店番はノンちゃんという女性に頼むことにした。

ブランドをスタートした83年の秋はサーフィンワールド(SW)がイナムラ特集を組むほど良い台風シーズンになった。

自分も大先生シェイプの6’10”で特集のトップページを見開きで飾るなど大きくフューチャーされて、新しいブランドを広く知らしめることもできた。

Brewer Hawaii Surfboardはその後も大先生とのリレーションシップの元、時代の最先端をゆくデザインが数多く生み出されてゆく。

 

Surfing World 1983/12号 Vol.8 No.6 “Escape”

To be continued 

Brewer Hawaii Vol.3